DIARY

写メ日記

セラピストたちの日々の様子やお客様へのメッセージをお届けします。

瑞希

長文失礼します

「ネクスト」という正式なランクを頂いて未熟ながら色々考えることがあります。


古い考えかもしれませんが僕はデートの際男がお金を出すものと思って生きてきました。

思い返してみても実際今までそうして来たと思ってます。

でもそれは普通の世界


女風では

デート代、ホテル代、交通費、全てお客様負担

尚且つプラン料金も頂いてます。

僕の中ではかなり異様な光景


だからこそ思います。

「普通の男」では駄目だと

「セラピスト」として会わないと


容姿、内面、気遣い、施術、全てを「普通」から脱却しないとなと思います。

「普通の男」なら正直マチアプとかの方がコスパ良いです。


だからこそ「セラピスト」としてこれからも生きて行くと決めた以上ワンランク、ツーランク上の男を目指していきたいと思ってます。



、、、というのを日課のウォーキングしながら考えてました。

あまり考えすぎると悪い方向に着地する癖があるのですが僕のお客様との向き合い方、この女風セラピストという世界との向き合い方などを伝えられたらなと思い今回長々と書いてみました。


最後まで読んで頂けると嬉しいです♪

長文失礼します
ユキ

🐝💨

普段お酒飲まないけど、珍しいお酒との事で少し味見。。


喉焼ける‼︎ と思ったら度数50%らしい🫠


奇跡的に🐝が写真に写り込んでるの、探してみて下さい☺️笑

🐝💨
蒼人

【深夜喫茶アオト】第十三夜 いつもと違うホットココア

※これは、完全なフィクションの短編小説です。


実在のお客様・店舗・出来事とは関係ありません。


眠れない夜に、少しだけ読んでもらえたら嬉しいです。


【深夜喫茶アオト】


第十三夜 いつもと違うホットココア


木曜日の夜は、雨の匂いで始まった。


日付が変わる少し前、俺はカウンターの端でカップを拭いていた。


窓の外では、細い雨が街灯の光をほどいていた。


深夜喫茶アオトの時計は、十二時を少し過ぎていた。


その人は、毎週木曜日に現れる。


決まって同じ席に座り、決まってブレンドを頼む。


砂糖は入れない。


ミルクも使わない。


苦いまま、少しずつ飲む人だった。


扉の鈴が、小さく鳴った。


「こんばんは」


濡れた傘を閉じながら、彼女はいつもの声で言った。


「こんばんは。今日は冷えますね」


俺は布巾を置き、カウンターの中から声を返した。


彼女はいつもの席に座った。


けれど、メニューを見る手が少しだけ迷っていた。


雨粒が肩先で光っていた。


「今日は、ブレンドじゃなくて」


そこで言葉が止まった。


店内には、やかんの湯が沸く前の低い音だけがあった。


「ホットココア、できますか」


俺は一度だけうなずいた。


「できますよ。甘さは控えめにしますか」


「いえ。今日は、ちゃんと甘くしてください」


その言い方が、少し照れたように聞こえた。


俺は小鍋に牛乳を注いだ。


火を弱くして、ココアをゆっくり溶かした。


甘い香りが、雨の匂いに混ざって広がった。


彼女は両手を膝の上に置いたまま、湯気の立つ手元を見ていた。


「いつもと違うものを頼むの、変ですか」


「変じゃないですよ」


俺はカップを温めながら答えた。


「同じものを好きでいる日もあれば、違うものに助けられる日もあります」


彼女は小さく笑った。


「助けられる、か」


ココアを注ぐと、表面にやわらかい泡が浮いた。


俺はカップを彼女の前へ置いた。


「熱いので、ゆっくりどうぞ」


彼女は両手でカップを包んだ。


すぐには飲まなかった。


「木曜日って、ずっと嫌いだったんです」


窓に雨が当たる音がした。


「週の真ん中を越えたのに、まだ終わってなくて」


「はい」


「でも、ここに寄るようになってから、木曜日が少しだけましになりました」


俺は返事を急がなかった。


彼女がカップに息を吹きかける。


白い湯気が、眼鏡の端を曇らせた。


「今日、ひとつ終わったんです」


「終わったんですね」


「はい。うまくいったわけじゃないけど、終われました」


彼女はココアをひと口飲んだ。


まぶたが少しだけ下がった。


「甘いですね」


「ちゃんと甘くしましたから」


「うん。今夜は、これでよかった」


店の奥で、古い冷蔵庫が短く鳴った。


それからまた、静かになった。


彼女はぽつりぽつりと話した。


頑張っていたこと。


手放すまで時間がかかったこと。


誰かに勝ちたかったわけではなかったこと。


俺は頷きながら、空いたグラスを磨いていた。


言葉は、ときどき雨音に隠れた。


けれど、隠れたままでいい言葉もある。


三時を過ぎる頃、雨は細くなっていた。


彼女のカップは空になっていた。


「来週は、またブレンドに戻すかもしれません」


「それもいいですね」


「でも、またココアにするかもしれません」


「それも、もちろん」


彼女は少し困った顔で笑った。


「同じじゃなくても、来ていいんですね」


俺は洗い終えたカップを棚に戻した。


「同じでも、違っても、席はあります」


その言葉に、彼女は何も返さなかった。


代わりに、深く息を吐いた。


始発の時間が近づくと、空の色がほんの少し薄くなった。


雨上がりの道路に、朝の光がにじんでいた。


彼女は傘を持ち、扉の前で振り返った。


「来週も、木曜日に」


「はい。温かいものを用意しておきます」


鈴が鳴り、冷たい朝の空気が一度だけ店に入った。


彼女の背中は、いつもより軽く見えた。


俺はカウンターに戻り、空のカップをひとつ洗った。


甘い香りが、まだ少し残っていた。


深夜喫茶アオトは、今夜も始発まで開いている。

【深夜喫茶アオト】第十三夜 いつもと違うホットココア
瑞希

3連休

今週末の10.11.12日の3日間空いております。

ポツポツとご予約いただいてますがまだまだ空いてますのでお待ちしてます!


そろそろ噛み切らないと、、

3連休
瑞希

【六人の嘘つきな大学生】

『六人の嘘つきな大学生』

浅倉秋成


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人気IT企業の最終選考に残った六人の大学生。協力して内定を目指すはずだった彼らだが、突然の選考内容の変更をきっかけに状況は一変する。次々と明らかになる秘密、疑惑、そして嘘。誰が嘘をつき、誰を信じるべきなのか。真相に近づくほど印象が覆されていく、先の読めない青春ミステリー


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実写映画も見ましたがやっぱり小説派。

ずっと気になってましたがやっと読めました。

描写がない事での叙述トリックみたいなものが最後の最後での伏線回収が気持ちいいです。

【六人の嘘つきな大学生】
蒼人

【深夜喫茶アオト】第十二夜 雨音の約束

※これは、完全なフィクションの短編小説です。


実在のお客様・店舗・出来事とは関係ありません。


眠れない夜に、少しだけ読んでもらえたら嬉しいです。


【深夜喫茶アオト】


第十二夜 雨音の約束


午前一時を少し過ぎたころ、雨が強くなった。


看板の灯りに、細い雨粒が白く浮かんでいた。


俺はカウンターの内側で、洗い終えたカップを拭いていた。


店内には古い時計の音と、湯を沸かす小さな音だけがあった。


扉の鈴が、遠慮がちに鳴った。


傘を持たない女の人が、入口で立ち止まっていた。


肩先が少し濡れていて、髪の先から雫が落ちた。


「雨宿りだけでも、大丈夫ですか」


俺は布巾を置いて、頷いた。


「もちろんです。温かいものでも淹れましょうか」


彼女は迷うように店内を見て、それから小さく笑った。


「じゃあ、コーヒーを。苦くないやつで」


俺は豆を少し浅めに挽いた。


ミルの音が、雨音に混ざった。


彼女は窓際の席に座り、濡れた指先をハンカチで押さえていた。


外の道路には、誰かが置き忘れたビニール傘が転がっていた。


「こういう時間に開いてる喫茶店、まだあるんですね」


「眠れない人には、夜の灯りが要る日もありますから」


彼女はカップを両手で包んだ。


湯気が頬の前でほどけた。


「昔、似たような店で待ち合わせをしたことがあるんです」


俺は返事を急がず、カウンターの端に水のグラスを置いた。


「約束、ですか」


「はい。二十歳になったら、夜明けのコーヒーを飲みに行こうって」


雨が少しだけ強くなった。


窓の向こうで信号の赤が滲んだ。


「その人とは、行けなかったんですけど」


彼女はそう言って、笑うでもなく、泣くでもなく、カップの縁を見ていた。


俺は新しい湯を細く落とした。


香りが静かに立ち上がった。


「約束って、叶わなかったら消えるものなんでしょうか」


「消えるものもあるし、形を変えて残るものもあると思います」


彼女は少しだけ顔を上げた。


「形を変えて」


「誰かと交わした言葉が、あとで自分を連れてくることがあります」


店の奥で冷蔵庫が低く鳴った。


彼女はコーヒーをひと口飲んだ。


「苦くないですね」


「今日は雨が強いので」


「雨と味って、関係ありますか」


「少しだけ、あることにしています」


彼女はそこで初めて、声を出さずに笑った。


その笑い方は、長く閉めていた窓を少し開けるみたいだった。


「本当は、忘れたふりをしてたんです」


俺は頷いた。


「忘れたふりも、必要な夜があります」


「でも今日、駅のホームで雨を見てたら、急に思い出して」


彼女は窓の雨を見た。


「あの約束、まだどこかで待ってる気がしたんです」


俺はカップに少しだけコーヒーを足した。


「今夜、ここまで来たなら、待ち合わせには間に合ったのかもしれません」


彼女は何も言わなかった。


ただ、両手の力が少し抜けたように見えた。


雨音は、さっきより丸くなっていた。


午前三時を回るころ、彼女は小さなメモ帳を取り出した。


ページの端は古く、雨に濡れた跡があった。


「ここに、約束を書いてたんです」


差し出された紙には、薄い文字で喫茶店とだけ書かれていた。


「場所も時間も、ちゃんと決めてなかったんですね」


「だから、今夜ここでよかったんだと思います」


彼女はそう言って、メモ帳を閉じた。


窓の外が、ほんの少し青くなり始めた。


始発まで、あと少しだった。


俺は最後に、温かい水をグラスへ注いだ。


彼女はコートを羽織り、入口で振り返った。


「また、雨の日に来てもいいですか」


「雨じゃなくても、開いています」


鈴が鳴り、朝の匂いが店に入った。


彼女の背中は、来たときより少しだけまっすぐだった。


カウンターに戻ると、カップの底に薄い琥珀色が残っていた。


俺はそれを眺めてから、静かに流しへ運んだ。


叶わなかった約束にも、座る席くらいはあっていい。


深夜喫茶アオトは、今夜も始発まで開いている。

【深夜喫茶アオト】第十二夜 雨音の約束
朔

おはようございます☔️

しとしと雨が降ってきたせいか昨日と打って変わって秋らしいひんやりな気候ですね☺️

涼しくなってくるとオシャレの幅も広がるのでこの時期も大好きです👼

この度インスタも作成してみました👏

日程調整とかXよりインスタ派の人はぜひフォローしてみてください☺️

なんてないプライベートばっかりかもしれないけど😂

IG→saku__leadosaka

アンダーバー2個です🫡

瑞希

お久しぶりとご報告

9月もお疲れ様でした!

今年も残すところ3ヶ月となりました


10月から本業が落ち着くので稼働できる時間が多くなります。

ご予約はもちろん、ご質問、雑談でもお気軽にDMくれると嬉しいです🎵

お久しぶりとご報告
朔

神社巡り

先日、出雲大社に行ってきました!


せっかくなのでしっかり参拝して、良いご縁がありますように🙏

…とお願いしたあとは、やっぱり食も外せない。笑


出雲名物の「割子そば」もいただきました!

こういう旅先で食べるご当地グルメって、いつも以上に美味しく感じますね☺️


しっかりパワーもお腹も満たされた1日でした。


みなさんは出雲に行ったことありますか?

おすすめの場所やグルメがあれば教えてください✨

神社巡り
蒼人

【深夜喫茶アオト】第十夜 置いていく薄手のコート

※これは、完全なフィクションの短編小説です。


実在のお客様・店舗・出来事とは関係ありません。


眠れない夜に、少しだけ読んでもらえたら嬉しいです。


【深夜喫茶アオト】


第十夜 置いていく薄手のコート


午前一時を過ぎた頃、雨が細くなった。


窓の外で、濡れた信号だけが赤く息をしていた。


俺はカウンターの奥で、乾いたカップを一つずつ棚に戻していた。


季節の変わり目は、音が少しやわらかくなる。


氷の溶ける音も、湯の沸く音も、どこか遠慮がちだった。


扉のベルが、小さく鳴った。


入ってきた人は、薄手のベージュのコートを腕に抱えていた。


着るにはまだ早く、持つには少し邪魔そうなコートだった。


「まだ、開いてますか」


「始発までなら」


そう言うと、その人は少しだけ笑った。


笑ったというより、ほどけたと言ったほうが近かった。


「あたたかいもの、ください」


「珈琲で大丈夫ですか」


「はい。苦すぎないやつで」


俺は湯を細く落とした。


豆がふくらんで、店の中に丸い香りが広がった。


その人はカウンターの端に座り、抱えていたコートを隣の椅子に置いた。


まるで誰かを座らせるみたいに、丁寧な置き方だった。


「それ、着てこなかったんですね」


俺が言うと、その人はコートを見た。


「着てくるつもりだったんです」


雨粒が、袖口にいくつか残っていた。


「でも、途中で暑くなって」


「季節って、たまに追いかけてきますからね」


「追いかけてくるんですか」


「置いてきたつもりのものほど、足が速い」


その人はカップに両手を添えた。


湯気が指先のあいだを上がっていった。


「昔の自分みたいですね」


その声は、雨よりも静かだった。


俺は返事を急がなかった。


店内では時計の針が、ひとつ先の時間を探していた。


「今日、部屋の片付けをしてたんです」


「眠れない夜にする片付けは、だいたい長くなります」


「本当に。写真とか、手紙とか、捨てるつもりじゃないものばっかり出てきて」


カップの縁に、その人の息が白く曇った。


「捨てられましたか」


「少しだけ」


「少しだけでも、重い日があります」


その人はうなずいた。


「前の自分に、悪い気がして」


雨がまた窓を撫でた。


俺はミルクピッチャーをそっと置いた。


「悪いと思えるくらい、大事にしてきたんでしょうね」


「大事にしてたのかな」


「雑にしてたものには、そんなに謝れないです」


その人は何も言わず、珈琲をひと口飲んだ。


眉間が少しゆるんだ。


「苦くない」


「今夜は、それくらいでいいかと思って」


「そういうの、ずるいですね」


「店主の特権です」


少しだけ、空気が笑った。


しばらくして、その人は鞄から古い鍵を出した。


小さな鈴がついた、年季の入った鍵だった。


「もう住んでない部屋の鍵です」


「返しそびれたんですか」


「返したはずなのに、予備が出てきて」


鍵はカウンターの灯りを受けて、鈍く光った。


「持ってると、まだ戻れる気がして」


「戻りたいんですか」


その人はすぐには答えなかった。


外を走るタクシーの音が、雨の上を滑っていった。


「戻りたいんじゃなくて、戻れるって思っていたかったんだと思います」


俺は布巾をたたんだ。


「思っているだけで、越えられる夜もあります」


「でも、もう越えた夜まで持って歩かなくていいですよね」


その人は鍵を指先で包んだ。


泣いてはいなかった。


けれど、目元に残った力が、少しずつ抜けていくのが見えた。


「明日、管理会社に送ります」


「明日でいい」


「今日じゃなくていいんですか」


「別れにも、湯冷ましの時間はいる」


その人はまた笑った。


今度は、ちゃんと笑っていた。


三時を過ぎると、雨はやんだ。


道路の黒い水たまりに、看板の灯りが細く伸びていた。


俺は二杯目に、ほうじ茶を淹れた。


その人はコートを膝に乗せ、袖を撫でていた。


「これも、もう着ないかもしれない」


「置いていくんですか」


「いえ。持って帰ります」


「はい」


「でも、過去の私のものとしてじゃなくて、明日の私の荷物として」


その言い方が、少し不器用でよかった。


新しい言葉は、たいてい着慣れない服みたいに肩が浮く。


それでも、着ていくうちに身体になじむ。


始発の少し前、空が灰色にほどけ始めた。


その人は会計を済ませ、コートに袖を通した。


さっきより、よく似合っていた。


「また、眠れない日に来てもいいですか」


「眠れる日の帰り道でも」


「じゃあ、どっちかの日に」


扉のベルが鳴り、朝の湿った風が店に入った。


その人の背中は、少しだけ軽そうだった。


カウンターには、鍵の形をした小さな水滴だけが残っていた。


俺はそれを拭き取り、新しい湯を沸かした。


季節は、いつも急には変わらない。


人もたぶん、そうだ。


それでも朝は来る。


置いていくものと、持っていくものを、少しずつ選びながら。


深夜喫茶アオトは、今夜も始発まで開いている。

【深夜喫茶アオト】第十夜 置いていく薄手のコート
朔

今年の夏は🌊

今年は例年以上に、いっぱい海に行きました🏖️


泳いだり、ぼーっと海を眺めたり、

美味しいものを食べに行ったり。


こう見えて、海で何もせずのんびりする時間が結構好きです笑


気づけばもう9月。

夏が終わっていくのはちょっと寂しいですね。


みなさんは今年、夏らしいことできましたか?☺️


来年はまだ行ったことのない海にも行ってみたいな。


今週は雨、台風と天候思わしくないですが写メ日記をご覧の貴方様とのご縁お待ちしてます☺️


朔

今年の夏は🌊
勇斗

ショッピング

最近、雨続きで気分が晴れないー

ですよね、、、、、

ってことで久しぶりにアウトレットに買い物行きました!


買い物好きですか?

ウィンドウショッピングでも

楽しめるタイプです!

ショッピング
蒼人

【深夜喫茶アオト】第九夜 理由のない夜

※これは、完全なフィクションの短編小説です。


実在のお客様・店舗・出来事とは関係ありません。


眠れない夜に、少しだけ読んでもらえたら嬉しいです。


【深夜喫茶アオト】


第九夜 理由のない夜


午前一時を少し過ぎた頃、雨は降っていなかった。


それでも窓の外の道路は、昼の名残を薄く濡らしたみたいに光っていた。


俺はカウンターの内側で、最後の一枚になった布巾を畳んでいた。


古い時計の針だけが、店内の静けさを少しずつ削っていた。


そのとき、入口のベルが小さく鳴った。


振り向くと、黒いコートの女性が立っていた。


傘は持っていなかった。


髪の先にだけ、夜風の冷たさが残っていた。


「まだ、いいですか」


「もちろん」


俺はカウンターの端の席を手で示した。


彼女は鞄を膝の上に置き、少しだけ息を吐いた。


急いで来たわけでも、迷って来たわけでもなさそうだった。


ただ、どこかへ帰る途中で、帰ることを少し遅らせたような顔をしていた。


「何にしましょう」


「眠くならないもの、ありますか」


「眠りたいわけじゃないんですね」


彼女は目を伏せて、小さく笑った。


「眠れない理由が、今日はないんです」


俺は頷いて、深煎りの豆を挽いた。


ミルの音が、夜の底にゆっくり沈んでいった。


理由がない眠れなさは、理由がある夜より扱いに困ることがある。


どこも痛くないのに、どこかに手を置いていてほしい夜がある。


湯を細く落とすと、粉がふくらんだ。


湯気が立ち、彼女の眼鏡をほんの少し曇らせた。


「ブラックで大丈夫ですか」


「はい。でも、苦かったら砂糖を入れます」


「それくらいでいいと思います」


カップを置くと、彼女は両手で包むように持った。


すぐには飲まなかった。


店内には、冷蔵庫の低い音と、外を通るタクシーの水っぽい走行音だけがあった。


「変ですよね」


「何がですか」


「悲しいこともないのに、誰かのいる場所に来たくなるの」


俺はカップを拭く手を止めなかった。


「変じゃないですよ」


彼女は少しだけ肩の力を抜いた。


「理由があると、説明しなきゃいけない気がするんです」


「理由がないなら、説明しなくていい」


「それ、楽ですね」


「楽な夜も、たまには必要です」


彼女はようやくコーヒーを口に運んだ。


眉がほんの少し寄った。


それから、砂糖を一つ入れた。


スプーンがカップの内側に当たり、控えめな音を立てた。


「甘くしたら、負けた気がするかと思ったけど」


「勝ち負けにするには、コーヒーは小さすぎます」


彼女は声を立てずに笑った。


その笑い方で、さっきまで彼女のまわりにあった薄い膜が少しゆるんだ。


二人でしばらく黙っていた。


沈黙は、気まずいものではなかった。


湯気がほどけて、棚のグラスが街灯を細く返していた。


「誰かと話したかったわけでもないんです」


「はい」


「でも、一人でいるには静かすぎた」


俺は新しい湯を沸かしながら聞いていた。


答えを急がないほうが届く言葉がある。


「ここ、音がちょうどいいですね」


「古い店なので、いろいろ鳴ります」


「そういうの、助かります」


彼女は窓の外を見た。


遠くの信号が赤から青に変わった。


誰も渡らない横断歩道が、少しだけ明るくなった。


「明日になったら、また普通にできると思うんです」


「今夜は、普通じゃなくてもいい」


彼女は何かを言いかけて、やめた。


その代わりに、カップの底に残った甘いコーヒーをゆっくり飲み干した。


午前四時半、空の色がほんの少し薄くなった。


俺は小さなトーストを一枚焼いた。


注文されたわけではなかった。


けれど彼女は、皿を見て何も聞かなかった。


バターが溶けて、端から静かに染み込んでいった。


「朝って、ちゃんと来るんですね」


「だいたい、遅刻せずに来ます」


「えらいですね」


「朝に言っておきます」


彼女は今度はちゃんと笑った。


始発の時間が近づくと、彼女は鞄から財布を出した。


指先の動きは、入ってきたときより少しだけゆっくりだった。


「また、理由がない日に来てもいいですか」


「もちろん」


「何も話さなくても」


「そのための席もあります」


彼女はカウンターの端を一度見てから、扉へ向かった。


ベルが鳴り、朝の冷たい空気が店内に入った。


外の道は、もう夜だけのものではなくなっていた。


彼女の背中が駅のほうへ小さくなっていく。


俺は空になったカップを下げた。


底に砂糖の白い跡が少し残っていた。


深夜喫茶アオトは、今夜も始発まで開いている。

【深夜喫茶アオト】第九夜 理由のない夜
朔

初めまして、朔です

この度LEADにて癒しのお手伝いをさせていただくことになりました朔です!

32歳、美味しいものを食べに行くのが好きで、休みの日は気になるお店を探してふらっと出かけたりしています。


写真は最近食べたお蕎麦。

こういう落ち着いたお店、かなり好きです。


まだ少し緊張していますが、ここでは普段の僕のことや好きなものを知ってもらえるように、少しずつ更新していこうと思います。


「このお店おすすめだよ」みたいなのも教えてもらえたら嬉しいです。


これからよろしくお願いします。

朔

初めまして、朔です
なつ

雨の日

こんにちは♪


最近は雨が多いですね

こんな日は家でまったりしたいですね(^_-)


最近はNetflixでドラマ漁り…

みなさんと面白いドラマの話など出来たら嬉しい♪

なつ

雨の日

こんにちは♪


最近は雨が多いですね

こんな日は家でまったりしたいですね(^_-)


最近はNetflixでドラマ漁り…

みなさんと面白いドラマの話など出来たら嬉しい♪

蒼人

【深夜喫茶アオト】第七夜 綴る夜

※これは、完全なフィクションの短編小説です。


実在のお客様・店舗・出来事とは関係ありません。


眠れない夜に、少しだけ読んでもらえたら嬉しいです。


【深夜喫茶アオト】


第七夜 綴る夜


店の灯りを落とし始めた頃、雨が降り出した。


窓の外は、もう深夜の静けさに包まれていた。


俺はカウンターのグラスを磨いていた。


カラン、と氷が触れ合う音がする。


遠くで雷鳴が聞こえた気がした。


静かな雨音に、店の扉が開く音が重なる。


「いらっしゃいませ」


傘を畳む女性が一人、店内へ入ってきた。


肩にかかった髪の先が、少し濡れている。


「こんばんは」


控えめな声だった。


カウンターの奥の席に座る。


「何か温かいものを」


彼女は小さくそう言った。


「承知しました。何かお好みはありますか?」


「…特に。お任せします」


俺はブレンドを淹れる準備をした。


豆を挽く音が、静かな店内に響く。


コーヒーの香りが、ゆっくりと広がっていく。


湯気が立ち上るカップを彼女の前に置いた。


「どうぞ」


「ありがとうございます」


一口、ゆっくりと口に運ぶ。


その瞳は、何かを思案しているようだった。


テーブルの隅に、便箋と封筒、そしてペンが置かれている。


彼女はそれらをじっと見つめていた。


「手紙、書かれるんですか」


俺は尋ねた。


彼女は少し驚いたように顔を上げた。


「ええ。でも、なかなか…」


言葉が途切れた。


「書くのが難しい手紙、ですか」


「はい。誰にも言えなかった、ありがとう、なんです」


そう言って、彼女は目を伏せた。


俺は何も言わず、ただカウンターの向こうで静かにしていた。


カチ、カチ、と壁の時計が時を刻む。


雨音は、まだ続いていた。


彼女はゆっくりとペンを手に取った。


便箋の上に、インクが走る音が聞こえる。


書き始めは、少し震えているようだった。


やがて、その手は落ち着きを取り戻していく。


コーヒーを一口、また一口と飲む。


時折、ペンが止まる。


遠い記憶を辿るように、天井を見上げる。


そしてまた、文字を綴り始める。


書いている間、彼女の表情は少しずつ変化した。


最初は硬かった顔が、少しずつ柔らかくなっていく。


微かな笑みが、口元に浮かんだように見えた。


「書けました」


彼女は顔を上げた。


その声は、少しだけ明るくなっていた。


「良かったですね」


俺は心からそう思った。


彼女は封筒に手紙を入れ、そっと閉じた。


宛先は書かれていない。


「これは、送らないんですか」


「ええ。これは、私だけの、ありがとう、なんです」


彼女は微笑んだ。


その笑顔は、雨上がりの空のように澄んでいた。


始発の時間が近づき、店内の空気が動き出す。


「そろそろ、行きます」


彼女は立ち上がった。


「ありがとうございました」


そう言って、彼女は封筒をバッグにそっとしまった。


雨は、いつの間にか止んでいた。


空には、薄明かりが差し込んでいる。


「また、来てもいいですか」


店の扉の前で、彼女は振り返った。


「ええ、いつでも」


俺は答えた。


彼女は小さく頷き、店の外へと歩き出した。


深夜喫茶アオトは、今夜も始発まで開いています。

【深夜喫茶アオト】第七夜 綴る夜
瑞希

待ってます!

8/31.9/1の二日間フルで空いてます!

ご予約ご相談お待ちしております。

癒しが欲しい方、非日常を楽しみたい方、どんな理由でも僕がしっかり向き合い受け止めます。

是非瑞希をご堪能下さい☺️

瑞希

目力👀

ありがたい事に「目が綺麗」と言っていただけることが多いです。

二重、長いまつ毛、涙袋、と自分でも自慢のパーツですが視力は激ザコですw

目力👀
蒼人

【深夜喫茶アオト】第六夜 いつもと違う注文

※これは、完全なフィクションの短編小説です。


実在のお客様・店舗・出来事とは関係ありません。


眠れない夜に、少しだけ読んでもらえたら嬉しいです。


【深夜喫茶アオト】


第六夜 いつもと違う注文


木曜の夜は、雨が多い気がする。


気のせいかもしれない。


けれど、深夜一時を過ぎた頃にガラスを叩く細い音を聞くと、俺はいつも同じ人の顔を思い浮かべる。


カウンターの端の席。


砂糖を入れない深煎り。


カップの取っ手を、少しだけ左に向ける癖。


その人は、今夜も傘を閉じて入ってきた。


「こんばんは」


「こんばんは。濡れましたね」


俺は乾いたタオルを一枚、カウンターの上に置いた。


彼女は小さく頭を下げて、いつもの席に座らなかった。


窓際の二人席に、コートを脱がずに腰を下ろした。


店内の時計が、静かに針を進めていた。


「今日は、何にしますか」


いつもの、と言う口の形を、俺は少しだけ待った。


彼女はメニューを開かず、外の雨を見た。


「ホットココア、ありますか」


「あります」


そう答えると、彼女は少し驚いた顔をした。


「喫茶店ですから」


俺が言うと、彼女は初めて笑った。


いつもより湯気のやわらかい夜になった。


小鍋で牛乳を温める。


底に沈むココアを、ゆっくり溶かした。


黒い粉がほどけて、甘い匂いがカウンターまで広がった。


彼女は両手を膝の上に置いたまま、何かを待っているようだった。


「苦いの、飲めなくなったんですか」


「飲めます」


「じゃあ、今日は甘いほうがよかったんですね」


「そうですね」


短い返事のあと、雨の音だけが残った。


俺はカップを彼女の前に置いた。


白い泡の上に、シナモンをほんの少し落とした。


「苦手なら、すぐ作り直します」


「大丈夫です」


彼女はカップを包むように持った。


指先が少し赤かった。


「木曜日って、戻る場所みたいで」


彼女は窓の向こうを見たまま言った。


「毎週ここで苦いのを飲んだら、まだちゃんとしてる気がしてたんです」


俺は布巾をたたんだ。


急いで相槌を打つ夜ではなかった。


「今日は、ちゃんとしなくてもいい日でしたか」


彼女はココアに息を吹きかけた。


「たぶん、そうです」


その声は弱くなかった。


ただ、少し荷物を置いた声だった。


「仕事、辞めるって言いました」


「そうですか」


「もっと泣くと思ったんですけど、帰り道でお腹が空いて」


「それは、体が先に安心したのかもしれませんね」


彼女はカップに口をつけた。


それから、ゆっくり瞬きをした。


「甘いですね」


「甘く作りました」


「ずるいです」


「木曜の雨の日くらいは」


彼女は声を立てずに笑った。


窓の外で、タクシーの灯りが水たまりを横切った。


店の奥で冷蔵庫が小さく鳴った。


いつもの深煎りの香りは、今夜だけ棚の中で眠っていた。


「来週も、違うの頼んでもいいですか」


「もちろん」


「毎週同じじゃなくても、覚えててもらえますか」


俺は洗い終えたスプーンを布で拭いた。


「席も、飲み物も、変わって大丈夫です」


彼女は頷いた。


それだけで、窓際の空気が少し軽くなった。


始発前の時間は、夜と朝の境目を隠すのがうまい。


雨はいつの間にか上がっていた。


彼女は空になったカップを両手でこちらへ寄せた。


「ごちそうさまでした」


「また、木曜日に」


そう言うと、彼女は傘を忘れそうになって振り返った。


「忘れるところでした」


「今日はそれくらいで、ちょうどいいです」


扉のベルが鳴った。


濡れた街に、薄い朝の色が混じり始めていた。


俺は窓際のカップを片づけた。


底に残った甘い香りが、少しだけ店に残った。


人は同じ場所に戻りながら、少しずつ違う自分で座る。


それでいいと、俺は思った。


深夜喫茶アオトは、今夜も始発まで開いています。

【深夜喫茶アオト】第六夜 いつもと違う注文
瑞希

【殺し屋の営業術】

『殺し屋の営業術』

野宮有


武器は話術(トーク)、度胸(ブラフ)、論理(ロジック)

営業成績第一位、契約成立の為には手段を選ばない凄腕営業マン・鳥井。

深夜のアポイント先で刺殺体を発見する。凶行に及んだのは金で殺人を請け負う「殺し屋」だった。鳥井は口封じで消されそうになるが「ここで私を殺したらあなたたちは必ず後悔します」と語りだす。そう、これは冗談なのだ。

「あなたは幸運です。私を雇いませんか?

この命に代えて、あなたたちを救って差し上げます」

                  


本屋でも大々的に宣伝されてたので満を辞して読了。

ミステリーとしての伏線、トリックもあり読み応え十分の一冊だが一気に読みました!

シリーズ化、コミカライズ化もしてるのでそっちも面白そうです^_^



第71回 江戸川乱歩賞

2026年本屋大賞ノミネート

王様のブランチBOOK大賞2025

【殺し屋の営業術】
勇斗

ご挨拶

はじめまして。

この度、LEAD大阪に入店することに

なりました、勇斗(はやと)です。


皆さまに

「会ってよかった」「また会いたい」と思っていただけるような、安心感のあるセラピストを目指して頑張ります。


日々のストレスや疲れを忘れて、

癒しの空間を提供できるよう心がけていきます。

お話することも大好きなので、初めての方も緊張せず、気軽に会いに来てください。


これからたくさんの素敵な出会いが

あることを楽しみにしています。


よろしくお願いします。


蒼人

【深夜喫茶アオト】第五夜 雨音の約束

※これは、完全なフィクションの短編小説です。


実在のお客様・店舗・出来事とは関係ありません。


眠れない夜に、少しだけ読んでもらえたら嬉しいです。


【深夜喫茶アオト】


第五夜 雨音の約束


午前一時を少し過ぎたころ、喫茶アオトの窓を雨が細く叩き始めた。


深夜の雨は、街の音を少しだけ遠くへ連れていく。


俺はカウンターの内側で、洗い終えたカップを伏せながら、その音を聞いていた。


ドアベルが鳴ったのは、ちょうど珈琲豆を量り直していた時だった。


入ってきた人は、傘を持っていなかった。


肩先と前髪に雨粒を乗せたまま、申し訳なさそうに入口で立ち止まった。


「すみません、雨が弱くなるまででも大丈夫ですか」


「もちろんです。始発まで開けていますから、急がなくて大丈夫ですよ」


その人は小さく会釈をして、窓際の席ではなく、カウンターの端に腰を下ろした。


濡れた袖口を気にしながら、両手を膝の上できゅっと重ねていた。


「温かいもの、甘くないほうがいいですか」


「はい。できれば、苦すぎないものを」


俺は深煎りを少し軽くして、湯をゆっくり落とした。


夜更けの店に広がる香りは、誰かの言葉を急かさないためにあるのかもしれない。


カップを置くと、その人は両手で包むように持った。


ひと口飲んで、目線だけを窓の雨へ戻した。


「昔、雨の日に約束したことがあったのを思い出して」


「雨は、忘れていたものを連れてくることがありますね」


その人は少し笑って、それから黙った。


無理に続きを待つ夜ではないと思った。


時計の秒針と雨音だけが、二人分の沈黙を細く縫っていく。


しばらくして、その人はぽつりと言った。


「大人になったら、また同じ場所で会おうって。たぶん、言ったほうも忘れてます」


「忘れていても、その時の気持ちまで嘘になるわけではないと思います」


その言葉が正しかったかどうかは、今でもわからない。


ただ、その人の指先から、カップを握る力が少し抜けたのは見えた。


雨は強くなったり弱くなったりしながら、夜の底を洗っていた。


俺は二杯目に、ほんの少しだけミルクを足した珈琲を出した。


「これは、約束を責めない味にしておきました」


「そんな味、あるんですね」


「今夜だけのメニューです」


その人は初めて、声を出して笑った。


笑い声は大きくなかったが、窓の曇りを少し晴らすくらいの温度があった。


午前四時半、雨はほとんど上がっていた。


遠くの空が墨色から薄い青へ変わり、始発前の街がそっと身支度を始めた。


その人は会計のあと、ドアの前で振り返った。


「約束って、守れなかったら終わりだと思ってました」


「守れなかった約束が、次に誰かへ優しくする理由になることもあります」


その人は返事の代わりに、深くうなずいた。


外へ出る背中には、もう雨粒はなかった。


残されたカップを片づけながら、俺は窓を少しだけ開けた。


雨上がりの空気が入ってきて、店の中に新しい朝の匂いが混ざった。


喫茶アオトは、深夜から始発までの小さな場所だ。


約束を叶える場所ではなくても、約束を責めずに置いていける場所であれたらいい。


そんなことを思いながら、俺は最後の珈琲を自分のために淹れた。

【深夜喫茶アオト】第五夜 雨音の約束
リョウ

お問い合わせありがとうございます

こんにちは、リョウです。

ご予約についてお問い合わせをいただいていると伺いました。
気にかけてくださり、本当にありがとうございます。

現在はまだ、ご予約に対応できる状況ではなく、申し訳ありません。

復帰できるタイミングが決まりましたら、こちらの日記で改めてお知らせします。

その際に、また思い出していただけたら嬉しいです。

リョウ
瑞希

【方舟】

『方舟』

夕木春央


クローズドサークルの傑作

衝撃のラスト一行

との評価



極限状態に閉じ込められた人々が、生き残るために犯人を見つけなければならないという異色の本格ミステリー。

張り巡らされた伏線と息詰まる心理戦が最後まで読者を翻弄し、ラストには思わず言葉を失う衝撃が待っています。

ネタバレ厳禁でおすすめしたい一冊。

瑞希

デビュー!!

初めまして!

数あるセラピストの中から僕まで辿り着いて頂きありがとうございます!


この度LEAD大阪でデビューさせて頂くことになりました瑞希(みずき)です。


お客様一人一人としっかり向き合い

満足頂けることを心掛けてます🎵


あなたからのご予約心からお待ちしてます

デビュー!!
蒼人

【深夜喫茶アオト】第四夜 また来てもいいですか

※これは、完全なフィクションの短編小説です。


実在のお客様・店舗・出来事とは関係ありません。


眠れない夜に、少しだけ読んでもらえたら嬉しいです。


【深夜喫茶アオト】


第四夜 また来てもいいですか


その夜、喫茶アオトには、珍しく誰も来なかった。


金曜日の二十三時。


看板に灯りを入れ、豆を挽き、湯を沸かす。


いつものようにカウンターを拭き、角砂糖の瓶を満たし、冷蔵ケースの中に小さなケーキを並べた。


それでも、扉のベルは鳴らなかった。


雨も降っていない。


終電が止まったわけでもない。


街には人の気配があるのに、この店だけが夜から取り残されたように静かだった。


午前零時。


午前一時。


時計の針が進むたび、店内に小さな音が落ちる。


誰も来ない夜は嫌いではない。


誰にも話しかけられず、誰の話も聞かず、珈琲の香りだけが漂う時間も悪くない。


それでも、扉のほうを何度も見てしまう。


誰かを待っているときの癖だった。


午前二時を少し過ぎたころ。


扉の向こうで、人影が止まった。


すぐには入ってこない。


木の扉に映った影が、近づいたり離れたりしている。


入るかどうか迷っているらしい。


俺は声をかけずに待った。


喫茶アオトでは、扉を開けるタイミングも、お客様が決める。


しばらくして、ベルが小さく鳴った。


「まだ、やってますか」


その声を聞いて、俺は顔を上げた。


黒いコート。


きれいに巻かれた髪。


両手で大切そうに抱えた、小さな白い箱。


一か月ほど前、誕生日の夜にこの店を訪れた女性だった。


「もちろん。始発まで開いています」


彼女は少し安心したように笑った。


「覚えてますか」


「ショートケーキの方ですよね」


「名前じゃなくて、ケーキで覚えてるんですね」


「お名前も覚えています」


俺が彼女の名前を呼ぶと、少し驚いた顔をした。


それから、照れたように目を伏せる。


「覚えてたんだ」


「忘れませんよ」


彼女は前と同じ、カウンターのいちばん端に座った。


白い箱を隣の席に置く。


「今日は、誕生日ではないんです」


「見ればわかります」


「どうしてですか」


「誕生日の人にしては、少し堂々としています」


「前はそんなに挙動不審でした?」


「少しだけ」


「恥ずかしい」


そう言って笑う顔は、初めて来た夜よりも柔らかかった。


目元に疲れは残っている。


それでも、誰にも気づかれないように必死で隠している感じはしなかった。


「何にしますか」


「ミルクティーをお願いします」


「甘めで?」


彼女は少し考えた。


「今日は、普通で」


「承知しました」


鍋にミルクを注ぐ。


火を弱くして、茶葉を量る。


彼女はその様子を眺めながら、白い箱を指で軽く叩いていた。


「今日は、どうしてここへ?」


俺が尋ねると、彼女は少し困った顔をした。


「それを考えてたんです」


「はい」


「何かあったわけじゃないんです」


「それはよかったです」


「仕事も普通でした。上司にはちょっと腹が立ったけど、いつものことだし。家族とも喧嘩してないし、失恋もしてない」


「はい」


「眠れないわけでもないんです」


「眠れそうですか」


「たぶん、家に帰ってベッドに入ったら、すぐ眠れると思います」


俺はミルクティーをカップに注いだ。


彼女の前に置く。


「では、なぜ?」


彼女は湯気の向こうから俺を見た。


「来ちゃだめでしたか」


「そんなことは言っていません」


「でも、この店って、眠れない人が来る場所でしょう?」


「看板には何も書いていませんよ」


「前に言ってました。眠れない夜にどうぞ、って」


「眠れる人はお断り、とは言っていません」


彼女はカップを両手で包んだ。


一口飲んで、小さく息を吐く。


「今日、仕事帰りにケーキ屋さんの前を通ったんです」


彼女は隣の白い箱を見た。


「前にここで食べたのと同じ、いちごのショートケーキが並んでいて」


「買ったんですね」


「はい。二つ」


「二つ?」


「一人で二つ食べるのは、さすがに寂しいので」


彼女は箱をカウンターに置き、こちらへ押した。


「一緒に食べてもらおうと思って」


「それで来たんですか」


「たぶん」


俺は箱を開けた。


いちごがひとつずつ乗った、小さなショートケーキが二つ並んでいる。


以前この店で出したものより、少し立派だった。


「今日は、ろうそくはありません」


「誕生日ではありませんからね」


「願いごともしません」


「しなくても大丈夫です」


「歌も歌わないでください」


「前も歌っていません」


「でも、歌いそうな顔をしてました」


「どんな顔ですか」


彼女は笑った。


俺はケーキを皿に移し、フォークを二本置いた。


カウンターを挟んで、一緒に食べる。


客が持ってきたケーキを店主が食べることが正しいのかは知らない。


けれど、深夜喫茶には、たまにメニューにない時間がある。


「おいしいですね」


俺が言うと、彼女は少し満足そうにうなずいた。


「自分で買ったケーキなのに、誰かがおいしいって言ってくれると嬉しいですね」


「一人で食べるのとは違いますか」


「違います」


「味が?」


「気分が」


彼女はフォークでいちごを半分に切った。


「前にここで、来年の誕生日は自分を雑に扱わないようにしたいって言ったの、覚えてますか」


「覚えています」


「あれから、少し練習してるんです」


「どんな練習ですか」


「疲れた日は、お惣菜を買う」


「大切ですね」


「残業を一回だけ断りました」


「それは勇気がいりますね」


「欲しかった靴も買いました」


「履いていますか」


彼女はカウンターの下で、片足を少し持ち上げた。


黒い革の靴。


小さな飾りがついている。


「似合っています」


「ありがとうございます」


彼女は嬉しそうに足を下ろした。


「それから、この前、友達に言ったんです」


「何を?」


「たまに寂しいって」


「言えましたか」


「はい」


彼女は少し笑う。


「そしたら友達も、『私も』って言ったんです」


「そうでしたか」


「ずっと、みんな平気なんだと思ってました。寂しいのは私だけで、私だけが大人になりきれてないんだと思ってた」


「案外、みんな上手に隠しています」


「あなたも?」


その質問に、俺は少しだけ考えた。


「俺もです」


「店主なのに?」


「店主でも」


「誰かの話を聞く人なのに?」


「聞く人にも、話したい夜はあります」


彼女は少し驚いたように俺を見た。


それから、ケーキを一口食べる。


「今日は、話しますか」


「何をですか」


「寂しいこと」


今度は俺が笑った。


「今日は、お客様の番では?」


「交代制じゃないでしょう」


「違いますね」


「話してもいいですよ」


彼女は何気なく言った。


特別なことをしているつもりはないようだった。


その言葉が、思っていたよりも温かかった。


この店では、いつも俺が聞く側だった。


泣きたい人の話を聞く。


強がる人の荷物を預かる。


言葉にならない気持ちが形になるまで待つ。


それが店主の仕事だと思っていた。


けれど、誰かを受け止めることと、自分が何も感じないことは違う。


店の灯りを消したあと、誰もいないカウンターを見て、少し寂しくなる夜もある。


「今日は、誰も来ないかもしれないと思っていました」


俺は言った。


「寂しかったですか」


「少しだけ」


「私が来て、よかったですか」


「はい」


彼女は満足そうにうなずいた。


「じゃあ、今日はそれでいいです」


「何がですか」


「私が来た理由」


彼女はミルクティーを飲んだ。


「眠れなかったからでも、悲しかったからでもなくて」


少し照れたように、カップの縁を指でなぞる。


「あなたに会いたかったから来た。それでいいですか」


「十分です」


「迷惑じゃないですか」


「迷惑なら、ケーキを半分も食べません」


皿の上には、もうクリームが少し残っているだけだった。


彼女が笑う。


「本当に食べましたね」


「甘いものは好きです」


「初めて知りました」


「聞かれなかったので」


「ほかにも、知らないことがありそう」


「たくさんあります」


「少しずつ聞いてもいいですか」


「営業時間内なら」


「店主として?」


「それ以外だと困りますか」


彼女は返事をしなかった。


ただ、少しだけ頬を赤くして、ミルクティーを飲んだ。


時計が午前三時を知らせる。


外を走る車の音が、少しずつ減っていった。


彼女は仕事の話をした。


新しく入った後輩が、思っていたよりも面白い人だったこと。


買った靴で歩いたら、少し足が痛くなったこと。


友達と来月、温泉に行く約束をしたこと。


何かを解決するための話ではない。


慰める必要も、正しい答えを探す必要もない。


ただ、今日あったことを誰かに話す。


それだけの時間だった。


深夜の喫茶店には、こういう夜も必要なのかもしれない。


つらい人だけが休める場所ではなくていい。


泣いている人だけが優しくされる場所でなくていい。


元気なときに来てもいい。


何も起きなかった日に、誰かの顔を見たくなって来てもいい。


彼女が席を立ったころ、窓の外が少しだけ明るくなっていた。


「今日は眠れそうですか」


俺が尋ねると、彼女はコートを着ながら答えた。


「よく眠れそうです」


「それはよかった」


「じゃあ、もう来る理由がなくなりますね」


「理由が必要ですか」


彼女は扉の前で振り返った。


「また来てもいいですか」


「もちろん」


「誕生日じゃなくても?」


「はい」


「寂しくなくても?」


「はい」


「眠れない夜じゃなくても?」


「ここが開いている時間なら」


彼女は少し考えてから言った。


「じゃあ、また会いたくなった夜に」


「お待ちしています」


扉のベルが鳴る。


彼女は朝の街へ歩いていった。


カウンターには、空になったカップが二つ。


ケーキの入っていた白い箱。


そして、使わなかった紙ナプキンが一枚。


泣かなかった夜のあとにも、片づけるものはちゃんと残る。


俺はカップを洗い、店内の灯りを少し落とした。


もうすぐ始発が動き出す。


喫茶アオトには、眠れない人が来る。


寂しい人が来る。


泣けない人や、強がることに疲れた人も来る。


でも、それだけではない。


話したいことがない人も。


元気な人も。


ただ誰かと甘いものを半分ずつ食べたい人も。


来る理由は、自分で決めていい。


理由なんてなくてもいい。


深夜喫茶アオトは、今夜も始発まで開いています。


また会いたくなった夜に、どうぞ。


蒼人

【深夜喫茶アオト】第三夜 泣けない夜のミルクティー

※これは完全なフィクションの短編小説です。


実在のお客様・店舗・出来事とは関係ありません。


眠れない夜に、少しだけ読んでもらえたら嬉しいです。


【深夜喫茶アオト】

第三夜 泣けない夜のミルクティー


深夜一時を過ぎたころ、喫茶アオトの電話が鳴った。


店に電話がかかってくることは、ほとんどない。


予約制ではないし、席が埋まるほど混むこともない。


迷った人が場所を尋ねてくるか、酔った誰かが番号を押し間違えるくらいだ。


「はい、喫茶アオトです」


電話の向こうからは、何も聞こえなかった。


ただ、街の音だけがしている。


車が通り過ぎる音。

信号機の電子音。

遠くで誰かが笑う声。


「もしもし」


しばらくして、女性の声がした。


「あの」


「はい」


「まだ、開いてますか」


「始発まで開いています」


「今から行ってもいいですか」


「もちろんです」


「……泣かなくても、入れますか」


俺は少しだけ間を置いた。


「喫茶店なので、泣くかどうかは自由ですよ」


電話の向こうで、小さく息を吐く音がした。


「よかった」


通話はそこで切れた。


彼女が来たのは、それから十五分ほど後だった。


扉のベルが鳴る。


入ってきた女性は、紺色のコートを着ていた。


髪も服もきちんとしていて、化粧も崩れていない。


泣いていたようには見えなかった。


むしろ、泣かないためにすべてを整えてきたように見えた。


「先ほどのお電話の方ですか」


「はい。すみません、急に」


「いらっしゃいませ」


彼女は店内を見回し、カウンターの真ん中に座った。


「何か温かいものをお願いします」


「コーヒーと紅茶、どちらがいいですか」


「紅茶で」


「ストレートにしますか」


彼女は少し考えた。


「甘いミルクティーにしてください」


俺は鍋にミルクを入れた。


弱い火にかけながら、茶葉を量る。


彼女はスマートフォンをカウンターに置いた。


画面は下向きだった。


それでも、何度も指先で触れている。


裏返そうとして、やめる。


電源を切ろうとして、やめる。


連絡を待っている人の仕草ではなかった。


連絡が来ないことを、何度も確かめている人の仕草だった。


「熱いので、気をつけてください」


カップを置く。


ミルクティーの表面から、白い湯気が立った。


彼女はカップに触れずに言った。


「今日、別れたんです」


「そうでしたか」


「五年、付き合っていました」


俺は何も言わず、続きを待った。


「結婚すると思ってたんです。ちゃんと約束したわけじゃないけど、五年も一緒にいたら、普通そう思いますよね」


「そう思うと思います」


「でも彼、来月結婚するんですって」


彼女は笑った。


乾いた、上手な笑い方だった。


「私じゃない人と」


ミルクティーの湯気が、彼女の顔の前でゆっくり消えていく。


「二年くらい前から、他にも付き合っている人がいたみたいです。そっちの人が妊娠したから、結婚するって」


「今日、聞いたんですか」


「はい」


「直接?」


「メッセージで」


彼女は伏せていたスマートフォンを裏返した。


画面には、短い文章が表示されていた。


謝っているようにも、言い訳しているようにも見える文面。


彼女はすぐに、また画面を伏せた。


「会って話したいって送ったんです。でも、返事がない」


「はい」


「電話も出ない」


「はい」


「たぶん今、向こうの人と一緒なんですよね」


彼女はようやくカップを持ち上げた。


一口飲む。


「甘い」


「甘すぎましたか」


「いいえ」


彼女はまた笑った。


「私、今日は泣くつもりだったんです」


「電話でも言っていましたね」


「家に帰ったら泣こうと思って。お風呂に入って、化粧を落として、思い切り泣こうって」


「泣けませんでしたか」


「一滴も」


彼女は自分の目元を指で触った。


「ショックが大きすぎると、涙って出ないんですかね」


「そういうこともあると思います」


「それとも、そんなに好きじゃなかったのかな」


その言葉だけ、少し声が揺れた。


俺はカウンターの内側から、小さな蜂蜜の瓶を出した。


「もう甘いです」


「これは飲み物用じゃありません」


「何に使うんですか」


「今、考えます」


彼女が少しだけ笑った。


俺は小皿に蜂蜜を垂らし、スプーンを添えた。


「悲しいかどうかを、涙で決めなくてもいいと思います」


彼女は蜂蜜の皿を見る。


「でも、泣けないと実感がないんです」


「五年一緒にいた人に裏切られて、それでも店まで来て、甘いミルクティーを頼んで、連絡が来ていないか何度も確認している」


俺は彼女を見る。


「十分、悲しんでいるように見えます」


彼女は何も言わなかった。


「涙は、悲しみの証明書じゃないですよ」


店の時計が、一度だけ小さく鳴った。


彼女はミルクティーを見つめたまま言った。


「友達には、まだ言ってないんです」


「どうしてですか」


「みんな、前から彼のこと嫌ってたから」


「そうなんですね」


「言ったら絶対、『だから言ったじゃん』って言われる」


「それは今、聞きたくないですね」


「聞きたくないです」


「ご家族には?」


「言えません。母は彼との結婚を楽しみにしてたから」


「職場の人は?」


「明日も普通に仕事です」


彼女は指を折りながら数えた。


「だから、誰にも言えなくて」


それから、困ったように笑う。


「五年付き合ってたのに、別れたことを話せる人がいないって、変ですよね」


「変ではないですよ」


「寂しいです」


その言葉は、とても小さかった。


泣いてはいなかった。


でも、その夜初めて、彼女は笑わずに話した。


「寂しいですね」


俺がそう答えると、彼女は顔を上げた。


「励まさないんですか」


「励ましてほしいですか」


「わかりません」


「じゃあ、今はやめておきます」


「次はもっといい人がいるとか」


「今、聞きたいですか」


「聞きたくないです」


「五年が無駄じゃなかったとか」


「それも嫌です」


「彼より幸せになって見返そうとか」


「一番嫌です」


「承知しました」


彼女は少し声を出して笑った。


「何も言わないんですね」


「何も言わないほうがいい夜もあります」


俺はミルクティーのおかわりを鍋に入れた。


「今夜は、彼を許さなくていいし、自分を反省しなくてもいい。次の恋を考えなくてもいい」


ミルクを温める音が、小さく店内に広がる。


「ただ、嫌だったって言っていい夜です」


彼女はしばらく黙っていた。


そして、少し強い声で言った。


「嫌でした」


「はい」


「ずっと私だけだと思ってた」


「はい」


「仕事が忙しいって言われたから、会いたいのも我慢した」


「はい」


「重いと思われたくなくて、寂しいって言わなかった」


「はい」


「私の誕生日、忘れてたくせに。向こうの人の誕生日には旅行に行ってた」


「それは嫌ですね」


「嫌です」


彼女はカウンターを見つめた。


「結婚するなら、せめて私と別れてからにしてほしかった」


「本当にそう思います」


「最後くらい、会って謝ってほしかった」


「はい」


「私が傷つくのが面倒だから、メッセージだけで終わらせたんです」


「卑怯ですね」


彼女が俺を見る。


「言っていいんですか、そんなこと」


「俺は彼を知りません。でも、今聞いた話については、そう思います」


彼女の顔が、少しずつ崩れた。


それでも、涙は出なかった。


代わりに、唇が震えた。


「私、怒ってたんですね」


「悲しいだけではなかったんですね」


「ずっと、悲しまなきゃって思ってた」


「怒ってもいいと思います」


「でも五年も好きだった人を、悪く言ったら」


「好きだったことと、傷つけられたことは、別にしていいですよ」


彼女は両手で顔を覆った。


泣いているように見えた。


でも、手を下ろした目元は乾いたままだった。


「やっぱり出ない」


「何がですか」


「涙」


「今夜は出ない日なのかもしれません」


「それでもいいですか」


「もちろん」


俺は二杯目のミルクティーを置いた。


彼女は今度はすぐに口をつけた。


「さっきより甘くない」


「同じ量です」


「じゃあ、私が変わったんですね」


「少し苦いことを言えたからかもしれません」


彼女はゆっくり飲んだ。


しばらくして、スマートフォンが振動した。


彼女の肩が動く。


画面を見る。


数秒だけ眺めたあと、スマートフォンを伏せた。


「彼ですか」


「はい」


「何て?」


「『もう連絡しないでほしい』って」


俺は返す言葉を探した。


でも、彼女は静かだった。


「返事をしますか」


「しません」


「決めたんですか」


「今、決めました」


彼女はスマートフォンの電源を切った。


そして、カウンターの端に置いた。


「これで終わりです」


その声には、強さよりも疲れがあった。


終わらせられた人ではなく、ようやく終わったことを認めた人の声だった。


「寂しくなりますね」


「はい」


「明日、つらいかもしれません」


「はい」


「来週も、まだ好きかもしれません」


「……はい」


「それでもいいと思います」


彼女は少し目を細めた。


「ここでは、何でもいいって言うんですね」


「何でも、ではありません」


「違うんですか」


「あなたを傷つけること以外なら」


その瞬間だった。


彼女の目から、ようやく一粒だけ涙が落ちた。


頬を伝い、カウンターの上に落ちる。


彼女は驚いたように、自分の頬に触れた。


「出ました」


「出ましたね」


「なんで今なんでしょう」


「安心したのかもしれません」


「何に?」


「泣けなくてもいいと言われたことに」


彼女は笑いながら、次々と涙をこぼした。


「変ですね」


「変じゃないですよ」


「さっきまで、一滴も出なかったのに」


「涙も急かされるのが苦手なんでしょう」


俺は紙ナプキンの箱を近づけた。


彼女は一枚取り、目元を押さえた。


「化粧、ひどいですか」


「少しだけ」


「正直ですね」


「鏡は見ないほうがいいです」


「そんなに?」


「今夜は、見た目を気にしなくていい日です」


彼女は泣きながら笑った。


そのあとは、ほとんど話さなかった。


彼女は静かに泣き、俺は何度かミルクティーを温め直した。


涙が止まったころ、窓の外が少し青くなっていた。


始発が動き出す時間だった。


彼女は化粧室で顔を整え、店を出る前に振り返った。


「次に来たときも、ミルクティーにします」


「甘めにしますか」


「今日より少しだけ控えめで」


「少し元気になったということですか」


彼女は考えてから、首を振った。


「苦いものも、ちゃんと味わえるようになりたいから」


「わかりました」


「でも、しばらくは甘くしてください」


「もちろんです」


扉のベルが鳴る。


彼女は朝の街へ歩いていった。


カウンターには、空になったカップが二つ。


伏せられたまま忘れられたスマートフォンは、もうなかった。


俺はカップを洗いながら思った。


泣けない夜がある。


泣かなければいけないと思うほど、涙が遠ざかる夜がある。


悲しみ方には、正解がない。


怒ってもいい。

黙っていてもいい。

まだ好きでもいい。

忘れられなくてもいい。


涙は、出たくなったときに出ればいい。


深夜喫茶アオトは、今夜も始発まで開いています。


泣けない夜に、どうぞ。

蒼人

【深夜喫茶アオト】第二夜 強がりブレンド

※これは完全なフィクションの短編小説です。

実在のお客様・店舗・出来事とは関係ありません。

眠れない夜に、少しだけ読んでもらえたら嬉しいです。


深夜喫茶アオト

第二夜 強がりブレンド


雨の夜は、喫茶アオトの扉が重くなる。


湿った木が膨らんで、いつもより少し強く引かないと開かない。


午前零時を二十分ほど過ぎたころ。


扉の向こうで、誰かが二度、取っ手を引いた。


三度目にようやく扉が開き、ベルが大きく鳴った。


「すみません」


入ってきた女性は、店に謝った。


肩まで濡れたベージュのコート。

片手には折り畳み傘。

もう片方の手には、仕事用らしい黒い鞄を抱えている。


「いらっしゃいませ」


俺がタオルを差し出すと、彼女はすぐに首を振った。


「大丈夫です」


一回目。


「コート、お預かりします」


「そのままで大丈夫です」


二回目。


「こちらの席、暖房が近いですよ」


「どこでも大丈夫です」


三回目。


彼女はカウンターのいちばん端に座り、濡れた髪を耳にかけた。


「何にしますか」


「一番苦いコーヒーをください」


「眠気覚ましですか?」


「いえ」


彼女は鞄を膝の上に置いたまま答えた。


「苦いものを飲みたい気分なだけです」


俺は深煎りの豆を挽いた。


静かな店内に、豆を砕く音が響く。


彼女はスマートフォンを伏せて置いた。

けれど、画面が光るたびに目を向けていた。


誰かからの連絡を待っているのか。

それとも、来てほしくない連絡を警戒しているのか。


深夜のカウンターでは、どちらもよく似た顔になる。


コーヒーを置く。


その隣に、角砂糖を三つ並べた。


彼女が眉を上げた。


「ブラックで飲みます」


「これは、さっきの分です」


「さっきの分?」


「大丈夫って、三回言ったので」


彼女はしばらく角砂糖を見つめた。


「言いました?」


「言いました」


「無意識でした」


「四回目ですね」


俺は角砂糖をもう一つ加えた。


彼女は呆れた顔をして、それから小さく笑った。


「変な店」


「よく言われます」


「大丈夫って言うたびに、砂糖が増えるんですか」


「今夜だけのルールです」


「このままだと飲めないくらい甘くなりますね」


「それくらい言っているということです」


彼女はコーヒーカップに口をつけた。


苦かったのだろう。

ほんの少しだけ顔をしかめた。


それでも、砂糖には手を伸ばさない。


「お仕事帰りですか」


「はい」


「遅くまでお疲れさまです」


「慣れているので、大丈——」


彼女は途中で言葉を止めた。


俺は角砂糖の入った容器に手を伸ばす。


「今のは最後まで言ってません」


「危なかったですね」


「見張られてるみたい」


「今夜だけです」


彼女はまた笑った。


最初に店へ入ってきたときより、呼吸が少し深くなっていた。


「今日、部下に泣かれたんです」


突然、彼女が言った。


俺は何も聞かず、続きを待った。


「仕事で失敗した子がいて。私がフォローしたんですけど、その子が『迷惑ばかりかけてすみません』って泣いてしまって」


「はい」


「だから、言ったんです。『大丈夫。私に任せて』って」


彼女はカップの中を見た。


「そのあと上司から電話があって、『君なら一人でも大丈夫だよね』って、別の仕事も回されました」


俺は角砂糖を一つ、皿の上に置いた。


彼女はそれを見て、苦笑した。


「それも数えるんですか」


「あなたが言ったわけではありませんが、同じ言葉なので」


「じゃあ、それもお願いします」


彼女が自分で、もう一つ角砂糖を加えた。


「母からも電話がありました。父の通院のことで。『あなたは昔からしっかりしてるから大丈夫よね』って」


三つ目を置く。


「弟からは、『姉ちゃんに任せておけば大丈夫』」


四つ目。


「友達には、『あなたは強いから大丈夫』」


五つ目。


白い角砂糖が、皿の上に小さな塔を作った。


彼女はそれを眺めながら言った。


「便利ですよね、私」


声は笑っていた。


でも、指先はカップの取っ手を強く握っていた。


「みんな、私に大丈夫って言えば、自分が安心できるんです」


俺は何も答えなかった。


「頼られるのは嫌いじゃないんです。本当に。仕事もできないより、できたほうがいい。家族の役に立てるのも嬉しい」


「はい」


「でも、ときどき思うんです」


彼女はそこで言葉を切った。


スマートフォンの画面が光った。


彼女は見なかった。


「私は、誰に大丈夫じゃないって言えばいいんだろうって」


外で、雨の音が強くなった。


窓を叩く雨粒が、しばらく彼女の代わりに話していた。


俺は小さなミルクピッチャーを温め、カウンターに置いた。


「ブラックで飲むって言いました」


「知っています」


「じゃあ、これは?」


「苦すぎたときのためです」


「これを入れたら、負けたみたいで嫌です」


「苦さを薄めても、今日頑張ったことまで薄くなりませんよ」


彼女が俺を見る。


「そういうこと、平気で言うんですね」


「喫茶店なので」


「関係あります?」


「深夜喫茶なので」


彼女は息を漏らして笑った。


そして、ミルクピッチャーを手に取った。


黒いコーヒーの中に、白いミルクが静かに落ちる。


一度沈み、ゆっくり広がり、二つの色の境目がなくなっていく。


彼女はスプーンで一度だけ混ぜた。


今度は顔をしかめずに飲んだ。


「おいしい」


「よかったです」


「最初からこっちにすればよかった」


「最初に苦いのを選んだから、わかったことかもしれません」


「何がですか」


「今夜は、苦くなくてもいいってことです」


彼女はカップを両手で包んだ。


しばらくして、ぽつりと言った。


「本当は今日、誰かに迎えに来てほしかったんです」


俺は彼女を見る。


「残業が終わったら、駅の前に誰かがいて。『お疲れ』って言って、鞄を持ってくれて。何があったか聞かずに、一緒に帰ってくれたらいいのにって」


「はい」


「でも、そんな人いないから」


また「大丈夫」と続けそうになって、彼女は口を閉じた。


俺は手を差し出した。


「鞄、お預かりします」


「え?」


「帰るまでの間だけ」


彼女は膝の上の黒い鞄を見る。


店に入ってから一度も離さなかった、重そうな鞄。


「中にパソコンが入ってます」


「丁寧に扱います」


「資料も入ってます」


「見ません」


「結構、重いですよ」


「持てます」


彼女は迷ったあと、鞄を俺に渡した。


それをカウンターの内側に置く。


たったそれだけなのに、彼女の肩が目に見えて下がった。


「軽い」


彼女が言った。


「鞄ですか?」


「私が」


その声は少し震えていた。


俺は気づかないふりをして、コーヒーのおかわりを用意した。


泣きそうな人に「泣いていい」と言うのは、ときどき乱暴だ。


涙には、その人自身のタイミングがある。


だから俺は、ただ尋ねた。


「今日は、大丈夫じゃなくても困る人はいませんか」


彼女は首をかしげた。


「ここには、俺しかいません」


「あなたが困るでしょう」


「困りません」


「面倒じゃないですか」


「お客様がコーヒーを飲んでいるだけですから」


「でも、もし泣いたら」


「ナプキンは多めにあります」


彼女の目から、一滴だけ涙が落ちた。


すぐに拭こうとしたので、俺は紙ナプキンの箱をそっと近づけた。


「一枚で大丈夫です」


彼女はそう言って、止まった。


俺は角砂糖の容器に手をかける。


「それも数えるんですか」


「どうしましょう」


「今のは……取り消します」


「承知しました」


彼女は泣きながら笑った。


泣き声を押し殺すような静かな涙だった。


きっと今までも、ひとりになってから泣く人だったのだろう。


誰かに心配をかけないように。

誰かの予定を乱さないように。

誰かが安心して彼女を頼れるように。


強い人というのは、壊れない人ではない。


壊れたことに気づかれない速さで、自分を直してしまう人だ。


けれど、毎回ひとりで直さなくてもいい。


少なくとも、今夜くらいは。


雨が弱くなったころ、彼女は席を立った。


目元は少し赤かったけれど、入ってきたときより表情は柔らかかった。


俺は預かっていた鞄を渡す。


「やっぱり重いですね」


彼女が言う。


「何が入っているんですか」


「仕事と、責任と、期待です」


「それは重いですね」


「あと、化粧ポーチ」


「それが一番重そうです」


「失礼ですね」


彼女は笑って、鞄を肩にかけた。


扉の前まで行ってから、振り返る。


「このコーヒー、名前はあるんですか」


「今、つけてもいいですか」


「どうぞ」


「強がりブレンド」


「そのままですね」


「わかりやすいほうがいいかと」


「次に来たときも、頼めます?」


「もちろん」


「今度は最初からミルクをください」


「砂糖は?」


彼女はカウンターの上に残った角砂糖の塔を見た。


「その日の“大丈夫”の回数で」


「かなり甘くなるかもしれません」


「そのときは、半分飲むのを手伝ってください」


俺は笑った。


「はい。喜んで」


扉のベルが鳴る。


彼女は雨上がりの路地へ歩いていった。


カウンターには、飲み終えたカップと、使われなかった角砂糖が残っている。


俺は白い塔を一つずつ崩しながら思った。


「大丈夫」は、優しい言葉だ。


けれど、ときどきそれは、強い人をひとりにする。


だから、喫茶アオトでは聞くことにしている。


本当に大丈夫ですか、と。


答えが「大丈夫じゃない」でも、何も困らない。


深夜喫茶アオトは、今夜も始発まで開いています。


強がるのに疲れた夜に、どうぞ。

蒼人

【深夜喫茶アオト】第一夜 誕生日のショートケーキ

※これは完全なフィクションの短編小説です。

実在のお客様・店舗・出来事とは関係ありません。

眠れない夜に、少しだけ読んでもらえたら嬉しいです。


【深夜喫茶アオト】第一夜 誕生日のショートケーキ


深夜二十三時になると、喫茶アオトの看板に灯りが入る。

昼間は誰にも見つからないような細い路地の奥。

古いビルの二階。

階段を上がると、木の扉に小さな真鍮の札がかかっている。

《深夜喫茶アオト》

営業時間は、二十三時から始発まで。

メニューは少ない。

珈琲。

紅茶。

ミルクティー。

それから、眠れない人のための甘いものを少し。

その夜、最初のお客様は、日付が変わる少し前にやってきた。

扉のベルが、ちいさく鳴る。

「いらっしゃいませ」

俺が声をかけると、彼女は少し驚いたように顔を上げた。

黒いコート。

きれいに巻かれた髪。

でも、目元だけが少し疲れている。

きっと今日一日、誰にも疲れていると気づかれないようにしていた人だと思った。

「まだ、やってますか」

「もちろん」

「よかった」

彼女はそう言って、カウンターのいちばん端に座った。

深夜の喫茶店では、最初からたくさん話す人は少ない。

みんな、言葉を持って来るまでに少し時間がかかる。

だから俺は、急かさない。

「温かいものにしますか」

「はい。甘いのがいいです」

「じゃあ、ミルクティーにしましょう」

湯気の立つカップを置くと、彼女は両手で包むように持った。

爪はきれいに塗られていた。

誰かに見せるためというより、自分を崩さないための色に見えた。

しばらくして、彼女が小さく言った。

「今日、誕生日なんです」

「おめでとうございます」

俺がそう言うと、彼女は笑った。

でもそれは、嬉しい笑い方じゃなかった。

「ありがとうございます。今日、初めて言われました」

その一言で、店の中の時計の音が少し大きくなった気がした。

「誰にも?」

「はい。職場では言ってないので。家族からは昼にスタンプだけ。友達には、なんか今さら自分から言うのも変で」

彼女はカップの中を見つめた。

「大人になると、誕生日って、扱いに困りませんか」

「わかります」

「祝ってほしいって言うほど子どもじゃない。でも、何もないと、少しだけ寂しい」

「子どもじゃなくても、祝われたい日はありますよ」

彼女はその言葉に、少しだけ目を伏せた。

俺は冷蔵ケースから、小さなショートケーキを出した。

閉店前に残っていた、いちごがひとつ乗ったケーキ。

皿に移して、細いろうそくを一本立てる。

「え」

「よかったら」

「そんな、悪いです」

「今日のために残ってたことにしましょう」

「そんな都合のいいことあります?」

「深夜喫茶なので」

彼女が初めて、少し本当に笑った。

ライターで火をつける。

小さな炎が、彼女の瞳の中で揺れた。

「お名前、聞いてもいいですか」

彼女は少し迷ってから、自分の名前を教えてくれた。

俺はその名前を、できるだけ丁寧に呼んだ。

「お誕生日おめでとうございます」

その瞬間、彼女の唇が少しだけ震えた。

泣かないようにしている人の顔だった。

泣きたいのに、まだ泣く許可を自分に出せていない人の顔。

俺は何も言わなかった。

慰めるのが早すぎると、涙は戻ってしまうことがある。

だから、ただケーキ用のフォークを置いた。

「願いごと、しますか」

「今さらですか」

「今からでも」

彼女はろうそくを見つめた。

「じゃあ……来年の誕生日は、もう少し自分を雑に扱わないようにしたいです」

「いい願いですね」

「願いっていうか、反省ですね」

「反省でも、願いにしていいと思います」

彼女は小さく息を吸って、ろうそくの火を吹き消した。

ふっと暗くなって、すぐに店の灯りが戻る。

たったそれだけのことなのに、彼女は少しだけ別人みたいに見えた。

誰にも祝われなかった一日が、最後の最後で、ちゃんと誕生日になったような顔だった。

ケーキを一口食べて、彼女は言った。

「甘い」

「甘すぎました?」

「いえ。今日くらい、甘くていいです」

それから彼女は、仕事のことを少し話した。

最近、笑い方が上手くなりすぎたこと。

頼られるのは嫌いじゃないけど、ときどき誰かに頼りたくなること。

誕生日なのに、自分で自分に何も買わなかったこと。

俺は相槌を打ちながら、ミルクティーを注ぎ足した。

深夜の喫茶店でできることは、多くない。

過去は変えられない。

明日の仕事を代わることもできない。

寂しさを全部消すこともできない。

でも、ひとつだけできることがある。

その人が自分を雑に扱いそうになった夜に、

「今日はそれをしなくていい」と伝えること。

彼女が帰るころ、外はまだ暗かった。

「また来てもいいですか」

扉の前で、彼女が聞いた。

「もちろん」

「誕生日じゃなくても?」

「誕生日じゃない日のほうが、多いですから」

彼女は笑った。

今度は、少しだけ軽い笑い方だった。

「じゃあ、また眠れない日に」

「はい。眠れない日に」

扉のベルが鳴って、彼女は夜の路地へ戻っていった。

カウンターには、空になったカップと、ケーキ皿と、短くなったろうそくが一本。

俺はそれを片づけながら思った。

大人になると、誰かに祝ってほしいと言えない夜がある。

甘えたいと言えない夜がある。

寂しいと認めるだけで、負けた気がする夜がある。

でも本当は、たぶん逆だ。

ちゃんと寂しいと言える人は、まだ自分を諦めていない。

深夜喫茶アオトは、今夜も始発まで開いています。

眠れない夜に、どうぞ。

リョウ

お休みのお知らせ

いつもありがとうございます。
リョウです。

本業の都合により、しばらくの間お休みをいただきます。
現在、ご予約はお受けできません。

再開の際は、改めてお知らせいたします。

メッセージをくださった皆さま、ありがとうございました。
よろしくお願いいたします。

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